尼亭ゲーム会レポート(2004/03/20) 第7号

約4年ぶりの更新になるゲーム会レポートです。この尼亭は、ゲームから離れていた時も極力参加していた、私にとっては「最後の砦」。ゲーム会レポートの執筆再開も、やはり尼亭から行いたいと思っていました。

Filthy Rich/Wizards of the Coast, Inc
今回の開催に関しては、かなり私がわがままを言いました。ゲーム会の開催を問いかけたのも私ですし、このゲームのリクエストをしたのも私です。

せっかく久々のゲーム会で、レポートを書くからにはそれなりのゲームでなくてはならないと思い、一番やってみたいゲームを選択しました。

このゲーム、私は大好きなんですけど、なかなか知名度が低いせいか普及していません。詳細については、Adept通信参照。

姉御、MIZさん、babuさん、bone5さん、私でプレイ。

WGG合宿のレビューで、「誰かがダイスで税金を振ったら、$2もらえる」強力カードを私が引いて勝利した記事を書きましたが、今回の女神はMIZさんでした。今回MIZさんは、ビジネスカードでも税金対策の看板をしっかりと握っており、まさに人の不幸を吸い取って肥え太っていきました。

姉御は、「毎ターン1ドルもらえる」という好カードを持ちながら、clapsビジネスカード(たった$2で看板を出せて、ヒットしたら$7の好リターンの上、unsummonして看板張り替えができる上、手札改善ができる最強カード)をdiscardしてしまったのが痛恨のミスで、そのカードをツモったMIZさんが更に肥え太りました。

bone5さんは、序盤快調でダイス目も良く、資金繰りが良かったので、一気に2種の贅沢品を揃えて早くもリーチ。「もうじき終わるわ」と温泉気分でしたが、$7で買った贅沢品が悲劇の始まりでした。この贅沢品、購入価格は安いものの、upkeepが$2で、以後はblackviseで締め上げられたようになり、徐々に看板を下ろさざるを得なくなり、最後は姉御の税金3発で、あえなく破産。この時の贅沢品競売で、MIZさんが大人買いして勝利となりました。

ゲームバランスとかそういう事を考えず、この美しいコンポーネントを楽しめば良いのではないでしょうか。名作だと思います。でも、できればこのゲーム日本語版でやりたいですね。もちろん、看板を日本語のものにするんですよ。セコムとか武富士とか。面白そうだと思いませんか。

このゲームのレポートを書くにあたっては、マジック用語が頻繁に使われておりますが、Wocの作品という事でご容赦下さいm(_ _)m。

最後に・・・このゲームの存在を教えてくれた柴田氏は昨年他界されました。このゲームをすると柴田さんの事を思い出します。今、私にできる事は柴田さんを忘れない事位しかできません。改めてご冥福をお祈り致します。

COUP
アクワイアのようなゲームですと、ホンマさんに紹介され、期待がふくらみます。一見すると、HOLIDAY AGのよう。ルールを聞けば聞くほどHOLIDAY AGだ。

違うのは、特殊カードが無いこと位で(実際のところ、HOLIDAY AGのルールをほとんど忘れかけているんですけどね)、10枚揃うとゲーム終了になる点など、ほとんど同じです。

danzigさんが加わり、6人でプレイ。

このゲームは7並べ+フリンケピンケ的ゲームなので、手札だけで勝つことは難しく、いかに仲間を募るかは重要な要素です。とはいえ、何か主張が無いとポイントを稼げません。このバランスが悩ましいところです。

私はつい手札に惚れ、紫チップを取りましたが、誰も賛同者を得られず独り立ちに。この紫はあきらめて、多色を揃えようと思っていたら、bone5さんが紫に参戦。babuさんも便乗してきました。

bone5さんは、連続して紫を取得。余程手材料が揃っていると考えて、私も紫に便乗。とりあえずオレンジを主張しつつ、様子を見ます。

MIZさん、danzigさん、bone5さんの緑戦線はとうてい届かないので、阻止に回り、青はケツなめ、紫・赤はサポート、黄色はbabuさん独り立ちのため無視、オレンジはクビ差トップ作戦を採りました(あまり多く揃えると、他者から警戒され阻止される)。

オレンジはキー牌の「7」の行方が注目されましたが、オレンジ2着の姉御が打ってくれたため、coup(タイル10連続状態)達成。最後の手番で急所の「11」をプレイして、15連続達成。姉御とのオレンジの枚数差は僅か1枚ですが、1枚800点余りの大量得点は非常に大きく、勝利する事ができました。

bone5さんもおっしゃってましたが、偶然の要素が減っている分、HOLIDAY AGより面白いかも知れません。

お邪魔者(Saboteur)/Uberplay
水道管ゲームとワーウルフを混ぜ合わせたようなゲーム。

各プレイヤーは、ドワーフとなって、金鉱目指して坑道を掘って進んでいきます。このあたりは、同様のゲームがよくありますよね。

邦題が「お邪魔者」とあるように、みんなで協力したり、競争するというよりは、ワーウルフやナポレオンのように、目に見えぬ仲間とのチームプレイ戦になっているのが特徴です。

この手のゲームというのは、ぎりぎりまで正体を明かさず、終盤になって真相がわかってくる・・・というところに面白さがあるのですが、このゲーム、あまり正体を隠す必要がないように思われます。

というのも、例えば初手にヒネタイルを置いたとして、その人を“叩き”にいけば、結局正体がばれる訳だし、正体を隠す必然性が少ない気がします。

あと、坑道タイルの数が少なすぎるため、邪魔カードをプレイされると、ほとんど何もできないし、サーチカードばかり来たりと、ゲームバランスに疑問を感じる点も少なくありません。

まあ、それでも正体を探り出す楽しみや何気なくヒネる快感もあったりするので、たま〜にプレイするには良いかも知れません。

TONGIAKI/Uberplay
トンギアキと呼ばれるボートで大海原を航海し、島を見つけ、自分の陣地を獲得していくゲームです。

船着き場に所定の船が揃わないと航海に行けない(乗客がいっぱいにならないと出発しない観光地の馬車みたいなもんです)というルールと航海中に海タイルに登場すると、そのタイルに書かれた数字のプレイヤーが存在しないと沈没してしまうルールがユニークです。

bone5さんによると、前回プレイ時、4人でやっていたため、人数制限にひっかかる事が多く、いまいちだったそうです(タイルに書かれた数字は船の数ではなく、プレイヤー数なので、少人数ほど厳しい)。

このゲームは終了時に、島に書かれた数字が各プレイヤーのポイントになるのですが、島にいるプレイヤーは船の数にかかわらず、全員にポイントが配分されます。但し、プレイヤーターンの開始時に自分の船しか存在しない場合は、その島を独占する事ができます。但し通常のアクションは行えません。また、独占によるボーナスもありません。

各プレイヤーは、私も含めてですが、この独占を過大評価していました。自分だけしかポイントできない点が魅力的に感じたのですが、実はそうでもない事実がプレイを進めていくうちに明らかになってきました。

まずは、毎ターン発生する「拡張」というイベント。これはシビライゼーションにおける人口爆発と同じで、ターン開始時にいる船の分だけ増加します。独占してしまうと、人口爆発のイベントが発生しないため、勢力が圧倒的に少ない事になります。更に、独占する事による他者のマークが厳しく、独占したMIZさん、babuさんが馬群に沈みました。

一方、序盤ショボかった姉御が、巧みな交渉で沈没を避け、気が付けば手がつけられないくらい勢力を伸ばし、そのまま勝利しました。

このゲーム、序盤に意地悪されたり、沈没したりと、勢力を失うと、拡張でモロに影響を受けます。シビライゼーションなら、「疫病」、「内戦」といったイベントで均等化されるのですが、ランダム性のないこのゲームではそれを望むことはできません。

もちろん、特濃メンツでのプレイですから、ゲームバランスなど何とでもなりそうですが、「そんなテコ入れする程のゲームかぁ」という結論に落ち着きました。


COYOTE
ライアーズダイスのインディアン版(こんな説明でわかるか)。

各プレイヤーの鉢巻にはさんだカードの合計を推理しビッドしていくゲーム。

自分のカードが何かわからないので、他人の表情やビッドで類推するのですが、ライアーズダイスのように、みんなうそつきばかりだから、いったい自分のカードは何なんだーと苦悶することになります。

特に初めのプレイヤーがすごーく低い数字でビッドすると、後続の人もその「意志」をくみ取り、低空飛行が続きます。後ろの人は皆、自分のカードはマイナスに違いないと疑心暗鬼になり、全然余裕なのに思わずコヨーテと言ってしまう。まさに「近代コヨーテ」。

写真に写っているのは、danzigさんとMIZさん、楽しそうでしょ?。本当は姉御も写したかったけど、嫁入り前の女の子だし、勘弁してあげるね。

最後は私とbabuさんの一騎打ちになり、「10」が手札だった私が自爆して終了。babuさんの勝利となりました。

ゲームの後は、いつもの店で食事に歓談、楽しい一日を過ごさせて頂きました。来週のW開催にも快く自宅を開放して下さった、姉御に感謝致します。 なんか、こうやって毎週ゲームができるなんて、京橋アジトに通っていた頃の熱気が戻ってきた感じです。

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