尼亭ゲーム会レポート(2006/09/30) 第36号

Bumper Car Arena
BGGで取り上げられていて、面白そうだったので早速購入したゲームです。
私が新作を買うのは稀なのですが、送料が安かったのと、通常ルートには無さそうだったのが購入に踏み切った理由です。

このゲームは、バンパーカーとあるように単純なレースゲームではなく、他人の車にぶつける事で得点になるゲームです。邪魔したり、嫌がらせしたりするのが大好きなメンバーたちなので(笑)、尼亭向きと思いました。

各プレイヤーは、手札からカードをプレイし、そのカードに書かれた向き・スピード(距離)だけ進みます。但し、スピードは、前回の+2までしか加速する事はできません。

移動した先に他の車がいれば、衝突となり、ぶつけた側に2点入ります。ぶつけた後、移動力が残っていれば、その方向に車は押されます。これは壁や障害物にぶつかるまで続きます。数珠繋ぎに衝突した場合は、後続車毎に更に1点入ります。

もし衝突前に3マス以上助走をつけてからぶつかった場合、ビッグヒットとなり、得点は2倍になります。

当然レースゲームの要素もあり、黄色と黒のラインを越えると3点入ります。但し、進行方向から逆走してラインを跨ると、−3点です。

8人までプレイできますが、最適が7名。姉御、MIZさん、TTBさん、松島さん、ミッシーさん、若野さん、私の7人です。

何故7人が最適かというと、プレイ人数が8人未満の時のみ登場するJimmyくんの存在が面白いからです。

Jimmyは、誰の駒でもありません。その時点で一番得点の低い人が移動させる事ができます。Jimmyが獲得した得点は、そのプレイヤーのものとなるため、一種の最下位救済です。これにより、白熱したレース展開になります。

今回私は快調に飛ばしていたのですが、MIZさんの特殊カードでバンパーカーの向きを変えられ、立ち往生。

「そりゃー確実に2点は取れるけど、さっさと進んで3点とれば良いだろうがぁぁぁぁ」という心の叫びも虚しく、マウント状態となった私に対して、MIZさんは、執拗に私を攻撃してきます。

仕方なく、方向を変えるためだけに私はカードを無駄遣いして、なんとか脱出。
ビッグヒットを決め、トップを猛追しますが、トップを走るミッシーさんにわずかに及ばすでした。

ゲームとしての面白さもさることながら、TPOに合った特殊カードがゲームを盛り上げます。
相手のバンパーカーの電気を切断して一回休みにしたり、敵のバンパーカーにコーラを投げて、操作を混乱させるなど、その状況が目の前に浮かんでくるようです。

前回のSGCで、Sumo Arenaというゲームをプレイしましたが、これと同じOmni Gaming Productsという会社の作品です。
今まで、チーパス風のゲームばかり出していましたが、普通のボードゲームへの脱却を図った作品なのでしょうか。

このゲームもSumo Arena同様AutoScooterの香りがしますね。とても面白かったです。


Market Madness
昔懐かしyaquintoのアルバムゲームシリーズです。

私は、かつてプレイシングスのゲームカタログでこのゲームの存在を知って、欲しいなあと思っていたゲームですが、さすがはレガシーの先輩であるミッシーさん。抑えるゲームはしっかりと抑えていたようです。

ゲーム盤を見ると、ベーゼンシュピール風のベーシックな作り。まぁ、株ゲームなのですから複数銘柄の株価表示を再現すると、大概はこうなりますよね。

各プレイヤーは手番に、配られたカードを元に株の売買を行う。全員が売買を終えた後、カードを公開します・・・。

これって、どこかで聞いたようなルールの気が・・・。そう、私のお気に入り株ゲームのひとつStock Market!にクリソツじゃないですか。

株の売買フェイズには株価は変動しないため、心理戦が楽しめるというのは、Stock Market Game同様です。
発売時期を調べたら、このゲームが81年でStock Market!が87年、うぉぉ、Market Madnessがオリジナルだったのですね。

このゲームでは、毎ラウンドカードをシャフルするため、偏ったカードが登場する可能性があります。まあ、相場なんてものはランダムウォーカーであり、予測できないのが現実なのですから、当然そうすべきでしょう。

今回のセッションでは、最近の株式市場同様になりました。石油や石炭といった資源株だけ上昇し、他はメタメタに叩き売られる二極化相場。しかも、そのうち3社は上場廃止になってしまいました(後に再上場は果たす)。

初期資金$50000でスタートしましたが勝ったMIZさんは$38000。つまり全員が元本割れする厳しい展開でした。
MIZさんは、始めにレインポーしてリスクヘッジしていたのが大きく、優良株を保有できたのが勝因でした。

私はナンピンを繰り返した挙げ句、倒産→紙切れとなり、「下手なナンピン素寒貧」という相場の格言通りになってしまいました。

プレイ時間も短く、かなり好評でした。また、プレイしたいゲームですね。


オーナーズチョイス
国産ボードゲーム。TTBさんの持ち込みです。このゲームデザイナーの方とは、関JAGAでもSGCでも何度もプレイした事があり、非常に気になっていたゲームです。

ただ、関東のゲーマーの一部より、ラックの要素の強さが指摘され、必ずしも高評価されていた訳では無く、私もプレイ機会を逸しておりました。

このゲームは、株の売買を行なう経済ゲームです。各プレイヤーは株の売買を行い、止まったマスの会社のオーナーが意志決定を行います。意志決定はダイスです。ダイスは会社毎存在し、株価変動や配当など出た目のイベントが発生します。

ダイスは会社毎内容が異なり、安定的な優良株、攻撃的な株、変動が激しい株など様々です。

但し、会社のオーナーはダイスを振る時、資金を支払わなければなりません。支払ったお金は場の「ファンド」に溜まります。もしお金を払いたくない場合、株価が高確率で下落する黒ダイスを振り、ファンドからお金を抜く事ができます。

ダイス目の配当は結構太っ腹で、投資資金の3割位配当してくれます。よって配当や株価上昇の目の多い会社は誰もが欲しい。

しかし、社長になると、自腹でお金を払わされる可能性がある。
もちろん、それが嫌なら株価は下がってもファンドから金を抜けば、株価下落の穴埋めができる。

このルールをみて、このゲームは1830の超簡略版ではないかと思いました。

筆頭株主が会社の意志決定を行う事ができる様は1830のストックラウンドと運行ラウンドの考え方そのものです。

手番じゃなくても、配当してくれそうな株を買うのは相場観が問われますし、ファンドから金を抜くのは、無配にして$320吸うようなものです。

よって、ファンドの資金状況や株のプレイヤー間のディストリビューションを考慮して株の売買を行う必要があります。
これはかなりの上級者でも楽しめるゲームといえるでしょう。

巷間言われる、ラックの要素ですが、マスの移動は1〜3の選択制となっているため、ある程度は読めますから、かなり軽減されています。

更に、手番が少ないという問題については、このゲーム盤が解決してくれると思います。

このゲームでは、自由にレイアウトを組み合わせる事ができます。1周で短いと感じれば、プレイヤー間で合意の上、1.5周にする事も可能でしょう。実際、私も次回プレイするなら、1.25周位でやってみたいなと思っています。

個人的には、このゲームで株の売買に慣れ、蒸気の時代で線路敷設に慣れ、1830デビューというのが理想的な進化だと思いますがいかがでしょう?

少なくとも、このゲームに関して、食わず嫌いだけはやめましょう。まだプレイされていない方は、是非ともプレイして欲しい国産ゲームです。


Jenseits von Theben
個人的には、マイベスト10に入れたいゲーム。かなりのリプレイ率が高いゲームです。

正直、このゲームは何回プレイしても飽きが来ません。もっと評価されてしかるべきゲームだと思いますね。

まぁ、メジャータイトルとして発売されるとの事なので、今後に期待です。

今回のセッションではカードの混ざり具合が悪く、偏った展開に。運の要素が強いゲーム故、カードの混ざり具合はもっと確認すべきだったかも知れません。これは反省点です。

このゲームを好きと思ってくれない人は、だいたいこの偏った流れを経験された方が多いようです。またバリアントルールの採用も悩ましく、なかなか決定版がありませんが、定期学会はあった方が良いと思います。

今回5人プレイでしたが、5人プレイは全然支障が無い事が前回のプレイで実証されたので、プレイ機会は今後もあるでしょう。Golf Profi同様、常備ゲームのクリーンナップとして今後も布教活動につとめていきたいと思います。

究極は、このような常備ゲームのみの構成に保有ゲームも絞って行かなければならないと思ってます。



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