SGCゲームレポート(2007/02/18)

Qui va faire la vaisselle?
これは、昔から欲しかったゲームで、なかなか手に入らなかったのですが、ようやくフランス版を見つけ、フランス人と交渉して入手しました。

同じように入手難で自作した人も多いのではないでしょうか?

これはアバロン版ではありませんが、コンポーネントは全く同じです。
ルールはフランス語で全く読めませんが、それは問題なし。
あと手袋は添付してませんでした(別にいりませんけど)。

みずるさん、YOKさん、すいせいさん、私の4人。

このゲームでは、各プレイヤーに6種類の食器カードが配膳されます。
各プレイヤーは手番にこれを表返す(盛られた料理を食べる)か、既に表返っている自分の食器カードを他人の食器に載せます。
この時、同じ種類か同じ色の食器にしか載せる事はできません。

載せられた食器は上にスタックされます。以後、他人の所に置く時はこのスタック毎移動します。

順番にプレイしていき、手詰まりになった時、1番手許に食器の多い人が負けとなります。

読めそうで読めない展開、誰もがルールをすぐ理解して楽しめ、シンプルかつ奥行きのあるこのゲームは、マイコレクションの中でも5指に入る名作です。


Schildkroetenrennen
BGGでは非常に評価の高い、ハニーベアのような(これは亀)レースゲーム。

自分の色の亀を判らないようにして進めていきます。
亀が同じマスに入った場合は、スタックされます。移動時は、その駒の上に乗っている亀も一緒に移動します。
但し、同時にゴールした場合、1番下の亀のゴールとなります。

もともとハニーベアというゲームをやっていたせいかどうかは判らないけれど、いまいち面白さがわからなかった。

勝ちはしましたが、何か淡々とゲームが進み、淡々とゲームが終わり、盛り上がりがありませんでした。

このゲームに対する私の取り組み姿勢に問題があったんですかねぇ。それともルール解釈に誤りがあったのでしょうか?

ただ、今回のセッションのみで結論づけるには惜しい気はします。


18FL
18xxシリーズのFlorida版。紙さんの持ち込み。紙さん、(例会初参加の)つなきさん、YOKさん、私です。

このゲームは数々の18xxシリーズをリリースしているDeep Thoughtの作品。
紙さんは、このFlorida版購入動機について、プレイ人数が4人まででプレイ時間も短い事から、18xxシリーズのエントリー用として選択されたと語っておりました。

BGGでは、そのフロリダという細長い地形から、戦略性に幅があまり無く、上級者には物足りないゲームという評価になっているという事で、もしショボかったら、早々に切り上げて、メインディッシュの1889に進みましょうという状態からのスタートとなりました。

このゲームの特徴を挙げると、ホテル・台風・急行列車・増資になるでしょう。

まずホテルですが、設立する事で、その会社だけ都市の価値を高めるものです。ありそうでないルールですね。列車・トークンの他に支出の可能性が増えた事で、戦略に幅が出ます。

そして台風。史実のようで、フロリダ南部の線路が台風で破壊されます。但し、終盤は収益100の盤外都市なので、是非とも接続したい場所。吹き飛ばされるのを覚悟で路線を引くべきか悩ましい。

急行列車(3E)は、6列車の代わりに購入出来、大都市の価値が倍になります。その代わり、小都市に止まず、利用できる都市も半分になります。このゲームで小都市は18EU同様、列車の数にカウントされず通り放題のため、6列車として利用した方がおいしい気もしますが、面白いオプションと言えます。

それから増資。このゲームでは、最初は1株=20%の株、5株の会社として設立します。よって設立は社長株ともう1株購入するだけで設立となります。

この段階では、50%分しか資本金は入ってきません。但し、会社は時価発行増資を行う事が出来ます。これを行う事で、株式の希薄化が起こり、株主としては配当が半減するものの、資本は厚くなります。この増資は列車購入前に行えるため、列車が廃車になった後に行えます。このあたりが、ぬるいゲームと言われる所以でしょうか。

フロリダという地形から考えて、Nippon Railのような感じのゲームになってしまうのではないかという危惧をしていたのですが、これは全く杞憂で、もともと低評価という事もあったかも知れませんが、上記のようなさまざまな工夫が随所に見られ、誰もが楽しめるゲームに仕上がっています。

今回のセッションでは、例会に2つの18xxシリーズをプレイしようという無茶な試みで時間的に押していたため、途中で協議終了としました。但し、これはなかなかいけるゲームだという合意にも達しました。

もし、初心者用とかマップが単調とかいう先入観でこのゲームを回避しているのであれば、是非このゲームを一度プレイされてはいかがでしょうか?

初心者は初心者なりに、上級者もそれなりに(フジカラーですかっ)楽しめるゲームだと思います。


1889
次は18xxシリーズの四国版。これも紙さんの持ち込み。メンバーは同じです。

このゲームはオーナーズチョイスのデザイナーである池田氏の作品なので、以前は国内で入手できたのですが、現在はDeep Thoughtでのみ取り扱っているようです。

日本のゲームなのに、なんでわざわざ海外発注するんだよぉ・・・という気持ちも正直あったりしますが、これが縁で私もDeep Thoughtにバリバリ発注する事になり、18EUなど1830以外の18xxシリーズに数多く触れられるようになったので、良い経験ができたと思っています。

このゲームは先の18FLとは異なり、ほぼ1830のシステムを踏襲しています。
また、4人プレイまでの小マップになっているため、手軽い18xxというコンセプトかと思われます。

実際個人会社に特徴があるのを除くと、都市の価値が異なるのは別にして、50%設立する違いがある位で、列車の値段とかも同じなので、1830プレイヤーにとっては、ほとんど違和感ありません。

個人会社ですが、一目美味しそうなのが、宇高連絡船と住友鉱山鉄道。

宇高連絡船は配当収入がパーマネントなのは魅力。これを放棄して吸い取る事も可能。かなりお得。
住友鉱山鉄道も特殊能力・定価・revenueのバランスを考えるとかなり安い。
1830をベースに考えるならば、これは定価\75クラスなのに\50と破格。

YOKさんが宇高連絡船にビッドしてきた。これは当然か。定価\150だが、C&Aみたいなものなので少なくとも\200以下は買いと考え、私はこれにオーバービッド。

そしてつなきさんが住友鉱山鉄道に\60でビッド。想定通りの展開になりました。

つなきさんに安価で落とさせないために、住友鉱山鉄道に乗ろうかとも思いましたが、既に宇高連絡船で仕事しているため、断念して道後鉄道の単独ビッドに切り替え。もしここに乗られたら当然住友鉱山鉄道にビッドして、混沌とした展開になりますが、紙さんがトリガーを引いたため、以後バタバタと決まる。私は宇高連絡船を\200まで競った上でオリ。

正直どの会社が有利が全く判らないが、人として「四国マップで高松に線路を引かずにどうする」と考えてコトデンを選択する。

序盤はトークンよりも収益。NYNHのようなものと割り切ってプレイする。

以後、成り行きでプレイしていく。YOKさんとの交渉が決裂し、紙さんつなきさん連合の展開となり、敗戦ムードが漂う。
4人ゲームでこのような同盟関係が結ばれてしまうと、交渉ゲームになってしまう。

YOKさんが年金生活ということもあり、全くアテにならない状況なので、こうなるとトップ目のつなきさんを叩く世論を喚起するしかない。やはりここはかみさんを籠絡するしかなくなってきた。

しかし下手をすると、こっちが一方的に悪役にされてしまうため、非常に難しい選択を迫られる。その解決策として、会社を多くコントロールする方法を選択した。建てられなくても良いので値付けしてつなきさんに会社を渡さないようにする作戦です。

つなきさんは5列車2台持ち、ランニングゲーム体制を確立。

普通の1830であれば、D登場させて追い込み型のバックゲームにするところなのですが、このゲームは銀行資金が少なく、Dieselにするにはラウンドが短すぎるため、メリットがほとんどない。しかもこの段階で新会社設立しても、持ち株制限を考えるとこんなクズ株を持つ意味がほとんど無い。

仕方なく、株価勝負に賭けますが、わずかに届かず。マップの小ささを考えると、プレイ時間的には丁度良いのでしょうが、最後の尻すぼみ感は拭えず。

このゲームは非常に評価が高いようなので、敢えて苦言をいくつか。

1.Dieselが出ない
鉄道会社は1830よりも1社少ない。くろしお鉄道は、その位置関係のため非常にショボく、最後まで設立されない可能性が高い。
今回私はくろしおは値付けしただけでそのまま封印となりました。

よって会社は事実上6社。全社が2台ずつ列車を持てるので、積極的にディーゼルを出す展開になりにくい。
銀行資金が1830の半分程度なので、ディーゼルが走り回る展開にはならない気がします。

これがデザイナーの意図するところかどうかは不明ですが、Dieselのうまみが薄いため、先行馬逃げ切りのいったいったの展開になりやすく、戦略に幅が出にくい気がします。


2.18xxシリーズとしての存在意義
私が18xxシリーズをプレイする場合、単にマップが変わったというだけではなく、敢えてそのゲームをプレイする意義を重視します。

18xxのルールのまま、別のマップをプレイするのであれば、1830をプレイするでしょう。

このゲームでは、短時間でプレイでき、なじみ深い日本マップにカスタマイズした池田氏のデザイナーとしての能力には脱帽する限りです。

しかし、ディーゼルが出にくい展開によるゲーム性の半減と1830とほとんど同じルールという事を考えた場合、敢えてこのゲームをプレイする選択肢は無い感じがします。

もちろん、列車の数を減らして、銀行資金を増やすといったシステム変更をしてテコ入れすれば少なくとも1.の問題は改善するかも知れませんし、日本人に馴染みやすい地形で18xxシリーズに触れてもらい、18xxのエッセンスを感じ取ってもらうとか、四国にゆかりのある人とプレイする時とか、そういう事情でプレイする事はあるでしょうが、1830という偉大なゲームの代替にまでは行かないと判断、BGG評価で6としました。


BUY OR SELL
2人用の株式ゲームです。なんと1967年の作品。YOKさんとの2人プレイ。

このゲームは、株を売買するのではなく、株価チャートを作っているゲームです。
チャートを構成するのは、株価の波動が描かれたチャートタイルです。

各プレイヤーは様々な形をしたチャートタイルを交互にボードに置いていきます。このタイルは自分/他人の陣地の好きな方に置く事が出来ます。

ゲーム終了時、より株価の高い方が勝ちになるので、当然自分の手番であれば、自分の会社に良い(上向きの)タイルを置こうとしますし、他人の会社には下向きのタイルを置こうとします。

但し、タイルを置くには条件があります。
タイルを置いた後、置いた人はダイスを振ります。タイルには以下のような指示が書かれています:

1 2 3 +
4 5 SAME
6 -

ダイス目が+の欄にあれば、次に置くタイルは上昇するタイルしか置けません。
SAMEは全く同じパターンのタイル限定。-は+の逆です。

このゲームの基本は、「上昇トレンド」タイル。

1 +
2 3 4 5 SAME
6 -

これを置くと、6が出ない限り、上昇傾向が続きます。これを置いて自社を安泰にしておき、相手の会社を操作します。
(当然敵は、この逆の下降トレンドタイルを相手の会社に置こうとします)

各プレイヤーには、2枚ずつ4種、特殊タイルを持っています。このタイルはトレンド転換したり、ボラティリティ(株価変動)が高い重要タイルなので、多用できないよう枚数制限がかかっています。

ゲームの終了条件は以下の3つです:
・株価がボード中央のベルト地帯に接触した場合(無条件勝ち)
・株価がボード底のベースラインを割り込んだ場合(無条件負け)
・ボード右端までタイルを置ききった場合

今回は、タイルを置ききる展開になりました。株価が高い方が勝ちなのですが、互いに均衡していて微妙な判定。
ボード上に目盛りが振ってないのでアナログ判定実施(笑)。

チャートタイルを底から重ねて株価測定。2馬身ならぬ、2タイル身3/4対2タイル身1/4で、かろうじて勝利しました。

私はこのゲームの善し悪し以前に、このようなテーマでゲームを作ろうとしたその発想を讃えたい。
しかも1967年という時代に。

このアイデアは、もっとゲーマーズゲームにも取り入れられるのではないでしょうか。

シンプルな2人用ゲームとして、楽しめます。それほど入手難でも無く、価格も安いのでレガシーゲームに興味のある方どうですか?



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