SGCゲームレポート(2006/08/20)

Stop Thief
ゲームカタログにシークレットポリスというゲームが掲載されていて、凄く欲しくっていろいろ探していたのですが見つからず、そうしたら海外オークションで、Stop Thiefというゲームをたまたま見つけ、「これって同じでは?」と思い購入したゲームです。たまさん、みずるさん、Rさん、私の4人プレイ。

このゲームはElectronic Crime Scannerという機械を使って行う、電源ゲームと非電源ゲームの融合が図られた推理ゲームです。このゲームでは、各プレイヤーが探偵となって、犯人逮捕を競います。が、犯人はどこにもいません!

犯人はコンピュータに操られているという設定になっていて、音しかわかりません。その音を機械で聞いて操作していくという画期的なゲームです。

音は、ドアを開ける、窓ガラスを割る、盗みをはたらく、部屋の中を歩く、街を歩く、地下鉄に乗る、のいずれかです。各プレイヤーはこの音を聞き分け、捜査網を絞っていきます。

始め、こんな音だけでは解るはずが無いと思っていたのですが、同じ場所に一手で後戻りできないとか、ドアを開けたら必ず前に進むとかの制限事項もあり、わかりそうでわからない、この加減が絶妙です。

この機械ですが、ちゃんとメモリー機能もあり、犯人の直近10移動までは記憶しているという親切設計。

手軽さと、レガシー度を考えると、私の手持ちの推理ゲームでは、一番面白いかも知れないですね。


パペット(骨折ブランド)
ご本人から委託され、骨折ゲームのテストプレイを行いました。

このゲームはマストフォローで切り札無しのカードゲームです。
各トリックの勝者は、その回の台札のスートで、一番小さい札がそのトリックの得点になります。
カードは0〜9まであり、3〜7のカードは2枚ずつあります。

このゲームは3ラウンド制になっていて、それぞれの得点計算が異なります。
第1ラウンドは取った得点が自分のポイントに。
第2ラウンドは取った得点が自分の失点に。
第3ラウンドは右隣のプレイヤーの取った得点が自分のポイントになります。

作者の狙いは第3ラウンドにあるようで、普段はトリックが取れないのに、どうしてこういう時は取れるのか、という気持ちを表現したかったらしいのですが、そういう思いはむしろ第2ラウンドに体感できます。

第3ラウンドは、とろうがしゃがもうが、自分は関係ないしという心理がどこかで働いてしまい、達成感みたいなものが薄くなりがち。

どうも、作者の想いは伝わらず、空回りに終わった感がありました。

まだプロトタイプ段階と思われますので、今後のチューンナップに期待しましょう。


Seaside Frolics
このゲームの名前を聞いてもピンと来ない人は多いと思いますが、またの名をポストカードと言い、ゲームカタログで時計のついたゲーム盤に見覚えのある人は多いのではないでしょうか?

このゲームでは、故郷からイギリスのリソード地に2泊3日で旅行に出かけ、その訪問先のポストカードを集めて得点を稼ぐゲームです。

各プレイヤーの1ターンが1時間に相当します。1日は朝8時から夜12時まで。 初日は故郷からリゾートホテルまで。2日目は観光三昧。3日は帰宅です。

観光地はタダのところもあれば、入場料のかかるところもあります。一部のイベントは入場時間に制限があります。

コストがかかる場所ほど、ポイントも高くなるように設定されています。また、同じ種類のリソード地を全て制覇するとボーナス点が入ります。


とにかく、このゲームは付属のポストカードのイラストが美しい。

時間を気にしながら、どうやって効率的に回るかを考えていると、本当に旅行しているような気分になります。

単なるスゴロクかと思いきや、ポストカードの得点を見て、「結局金が全てかよー」とか「世の中にゃータダでももっと良い場所があるだろーがぁぁぁ」などの意見も飛び交い、終始、和やかにゲームが進んでいきます。

まあ、いかにもレガシーというか、たまにはこういうほのぼのとしたゲームをプレイするのも良いのでは無いでしょうか。 正直、封印ゲームかと思っていたのですが、予想外に面白く、嬉しい誤算です。


Golf Profi
Turf Masterを出しているAZA Spieleのゴルフゲームです。

ゴルフゲームって、いろいろ出てますが、なかなか決定版が無く、私も購入を躊躇していたのですが、最近のゲームの中ではかなり評判が高そうだったので購入しました。

2002年のゲームですが、当時入手難だったため、トレードで入手しました。

このゲームでは、ウォーゲームのようなヘックスを採用。ボールの移動は全てダイスで行います。
ルール的には、至って平凡。昔からいかにもありそうなシステム。

確かにダイスはいっぱいあり、ティーショット用、フェアウェイ用、バンカー用、ラフ用、グリーン用と分かれているものの、それ自体も特に目新しさは無く、和訳しながらも、やってもうた系かなと正直思っていました。

しかーし。いざ、プレイしてみると、これが出色の面白さ。

良く良く、個々のパーツに注目すると、皆、「仕事」しているのがわかります。

まず注目すべきなのが、HP(ハンディキャップ)システムです。

ゴルフゲームなので当然っちゃー当然なのですが、今まで、そういえばあまり見かけなかったなあ。
いや、あったのかも知れませんが、ここまで精緻には作られていなかった(はず)。

このゲームは始め、HP54の初心者という設定でプレイします。

初心者は白いダイスしか使用できません。経験を積む事によって、より飛距離の出るダイスにバージョンアップできます。

白いダイスは飛距離だけでなく、大ホームランしたり、空振りしたりして、正確なショットが難しくなっています。

とはいえHPは54。54という事は18ホールで換算すると、1ホールあたり3打余分に打てる計算になります。

各ホール終了時点でストロークの他にハンデ計算を行います。ボキーで1点、パーなら2点、バーディなら3点、最高は5点で、ダボ以上は0点です。

ハンデ54の人は、たとえばパー4なら、7打を基準として計算します。
そして得点が36越えであれば、ハンデが減る仕組みになっています。

その減り方も、上達していくに連れ逓減するようになっていて、リアルな設計です。

プレイ中も、飛ばないクラブ、スライス、フック、池ポチャの連発で、ヘボゴルフのバーチヤル体験が満喫できます。
時間の関係でハーフしかプレイできませんでしたが、このペースで行くと、次回はハンデ10は減らせそうで、そうすると、今度は様々な特典があり、上達する様が経験できそうです。

もちろん、初心者とプレイする場合でもハンデで矯正されるので、ほぼ対等条件でプレイできます。

1〜4人ゲームなので、ソロプレイで練習するも良し、2人余った時でもできますから、ゲーム会に常設したい位に気に入りました。


Acquire
久しぶりです、アクワイア。いつ以来でしょうか。当HPでも、最大のレビュー数を誇る代表ゲームですが、最近はご無沙汰でした。全く勝てなくなったというのも、その理由のひとつかも知れない。

今回は、6人という事でペア戦になりました。私は軍司さんとのペアです。

ペア戦では、自分の手材料だけでなく、パートナーへのサポート・トス等も考慮に入れる必要があり、通常のアクワイアとはまた異なった趣があります。

今回は初手の盆叩きに始まり、キー牌も無く、サポートどころか完全足引っ張りの展開。とりあえず、ワールドの筆頭で様子見。インペに食われるが、インペは頑張ったところでしょせんは2着。

それならとホールドでいきなり4件設立するも、そのまま全く大きくなる事も無くジエンド。しょぼー。

結局はバランス良く戦った、YOK・Onakaペアの圧勝でした。

SGCでも、アクワイアやるんですねと尋ねたら、結構プレイされているそうです。知らんかった。


今回の例会では、参加された方から、「どこのゲーム会でもあるような最近のドイツゲームがなく驚いた」という旨のコメントを頂きました。ある意味これは私にとって最大の賛辞。

別にアンチドイツゲームという訳でもないですし、旧作にこだわっている訳でもありません。

だけれども、そういう新作や話題作等の情報が先行しがちな昨今の弊害として、見落とされているゲームや日本未輸入のゲーム、絶版ゲームの活躍の場が非常に少ない気がしておりました。

私は、こういうゲームにスポットライトを当てたかった。

これらいわゆるレガシーゲームというのは、海外からしか入手できず、送料なども高く付き、情報が少ないため、和訳に手間取ったり、欠品があったり、良い事なんてほとんどありません。非常手間暇もコストもかかり非効率です。

別に、そんな事しなくても、話題作・人気作で和訳のついている新作を買えば良いじゃないかと言われたら確かにその通りだと思いますが、「ゲームを買ってすぐ遊べる」ことより、海外サイトやeBay等をいろいろまわり、交渉してゲームを入手し、和訳する。ゲームをプレイする前に、このような楽しみを味わえるレガシーゲームの世界を一度知ると、普通にショップでゲームを購入するという行為が非常にもったいない気がします。

どうも私は人とはかなり違うようで、古い人間なんでしょうかね・・・。



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