SGCゲームレポート(2006/07/24)

Ekonos
スペイン生まれの経済ゲームです。前回puppiさん宅で好評だったため、持ち込みました。

始め、メンツがなかなか集まらなかったため、3人でプレイしようとしたら、4人目が現れて改めてインスト。すると、5人目が現れて再度インスト。そしてまたまた6人目が現れ(^_^;、上限の6人プレイとなりました。

このゲームは、ゲーム終了時、株資産+現金の一番多い人が勝ちとなります。
各会社の価値は、ボード上に置かれているそれぞれ会社タイルの数で決まります。

よって、資産価値を高めるために、自分の保有する会社のタイルを盤面に多く配備する必要があります。

各会社の購入単価は全プレイヤーが保有するその会社の株数+1と同じのため、序盤は、手札にかかわらず株価の低い株を買い、株価が高くなってきたら、将来性を考えて株を購入していくのが自然です。

いってみれば、この動きは株価が調整局面で、超弱気ムードの段階からゲームが始まり、全ての株が買われる時期を経て、好業績株のみが上昇トレンドを継続していく株価の動きをシミュレートしています。

このゲームではお金と株価の価値が同等のため、現金は非常に重要です。「中盤以降は高値の株を購入する位なら現金で持っている方が得かも知れない」という状況になっていきます。

株の売買も1株しかできないため、銘柄選択も重要です。

私は慎重にプレイしすぎたせいか、購入した株が皆、高騰したのは良かったのですが、あまりにも株保有枚数が少なすぎました。もっと自分の主張できるような銘柄を作っていかないと他人のふんどしだけでは苦しい。

雰囲気はアクワイアに似ていますが、アクワイアよりも、自分の主張を持ちつつ、如何に他人と協調関係を築くかが非常に重要なゲームといえるでしょう。

ルールはシンプルですが、非常に奥の深いゲームです。


Consensus
ゲーム盤に一目惚れして購入したゲームです。

熱いセッションレポートがmoonさんのブログでも確認できますが、ボードにピンを挿していくというユニークな選挙ゲームです。ゲーム盤には、アメリカの州が描かれ、各プレイヤーは大統領候補となり、毎日(ターン)持ち時間(22時間)を活用して効率良く遊説し、選挙で過半数を得て、大統領になるのが目的です。

各州には目盛が刻まれていて、たとえば、テキサス州にはメモリが9個あります。
テキサス州の選挙人は25で1目盛あたりの時間は6です。

このボードに刻まれた目盛状況を管理するためにピンをボードに挿してきます。

メモリ上限まで時間を消費すれば、その州の選挙人を獲得できます。よってテキサス州を獲得しようと思えば、54時間かければ獲得できる事になります。

但し、このゲームでは、その時点でトップのプレイヤーが選挙人を獲得できます。よって、ほんの少しだけ、他のプレイヤーをリードするのが効率の良い時間の使い方です。

このルールは実際の選挙そのものではないでしょうか?

選挙人の数が多い州ほど、かかる時間も多くなっているため、NYやCAなどの都市部に時間をかけるか、NDなどの田舎(失礼)を中心に回るかの戦略が分かれます。

また、無風区の戦い方と激戦区の戦い方など、各陣営の選挙戦略を練る過程が非常に面白くできています。

さらにゲームを盛り上げるのが支持母体の存在。各州は、それぞれ何らかの支持母体(外国人、ブルーカラー、黒人、農業、宗教etc)に属していて、これら指示母体のグループの過半数を獲得すると、その指示母体への選挙活動時間が6時間追加で獲得できます。

ですので、自分の指示母体を明確にしながら、それらのグループへの影響を強固にして、それを広げていくという非常に本格的な選挙ゲームに仕上がっていて、選挙好きにはたまらないと思います。

しかーーし。この素晴らしいルールを全てスポイルしてしまうプレイアビリティの低さはどうだろう。
ボードにピンを挿すという行為が非常に煩雑。でも挿さないとゲームが成立しない。

ピンを挿す部分はコンピュータ化すべきなんですよね。そうすれば、素晴らしいゲームに変貌する事でしょう。
ゲームシステム自体は素晴らしいので、せめてピンを挿しやすくするのと、世論動向をコンピュータで計算する位は行った上で再度提示したいと思います。


Agora Barcelona
Ekonosに続く、スペインゲームの第2弾です。

各プレイヤーは自分のミープル(カルカソンヌ駒の俗称らしい)をボード上に配置していき、各地域で一番多く配置したプレイヤーがその地域ポイントを得る、領土獲得系のゲームです。

プレイヤーは5枚の手札で以下の手順を順番に行います。
・左隣プレイヤーからカード補充
・手札からカードをプレイ/ミープルの配置
・ボード上のミープルを2人移動
・カード補充

山札が無くなったら、左隣からカードを取る事は無く、手札のみでプレイします。
カードプレイ時は、カードに書かれた数字分だけ、ミープルを配置します。
ミープル移動では、2人の色の異なるミープルを動かす事が出来ます。

左隣からカードを取って、カードが無くなったら手札のみでプレイするというルールは地味ながら非常に考えられたルールです。つまり、手札がしょぼいカードの場合、右隣の人から抜かれないため、最終的には自分で処理しなければならなくなります。

さりとて、魅力的なカードばかり取りそろえると、皆かっさらわれてしまい、結局しょぼいカードをプレイする羽目になります。
つまりこのゲームは最終5ラウンドの手札を構築するまでの「子供の時間」と、手札でプレイする「大人の時間」に分かれているのです。

作者がここまで考えているのかは不明ですが、少なくとも我々にはそのように感じました。
イラストのきれいさとは裏腹の渋いゲームといえます。ekonosといい、このゲームといい、スペインゲームは侮れませんね。


Search for Poseidon's Gold
潜水艦で海底の宝探しを行うアドベンチャーゲームです。

ボードはヘクスタイルを積み上げて海の深浅を表現する3D構成になっていて、臨場感あふれるコンポーネントになっています。初期配置はさまざまな構成があるのですが、一番基本的なマップでプレイしました。

各プレイヤーは宝の位置(×マーク)にまでいち早く進み、宝を獲得していきます。出遅れたプレイヤーは、この宝を強奪すべく虎視眈々と狙っています。宝を見つけたプレイヤーは彼らの追撃を交わしながら、自分の港に無事帰港すれば、得点になります。

プレイヤーの行動はポイント制になっていて、12pを様々なアクションに割り当てます。宝を獲得するには、乗組員を潜水艦から降ろし、潜行し、宝を獲り、潜水艦の深度を下げ、乗り込むというステップを踏まなければならず、簡単には宝を獲る事ができません。

この行為を阻むのは、モンスターと敵潜水艦です。モンスターは海上を回遊しており、非常に厄介な存在。モンスターに遭遇した潜水艦は、宝を奪われた上、強制的に港に戻されてしまいます。

同じタイルで同じ深度にいる場合、敵艦を攻撃する事ができます。基本ルールでは、攻撃に成功するとモンスター同様、相手を港に戻すだけなのですが、よりエキサイティングな展開にするため、敵艦沈没となり、攻撃側のポイントになるルールを採用しました。

基本ルールでは得点取得方法は宝を獲るだけなのですが、攻撃ルールを入れる事で沈めた潜水艦毎にポイントが得られるため、戦略に幅がでます。

宝探しやモンスターとの格闘、敵艦との戦闘といった冒険ものにありがちなイベントを体験できますし、視覚的にも3Dタイルという事で非常に盛り上がる作りになっています。

このゲームはどちらかというと、コアなゲーマーがプレイするよりも、初心者を交えてプレイした方が良いかも知れません。


Extinction: The Game Of Ecology
ダーウィニア島で繰り広げられる生存競争を扱ったゲームです。

このゲームでは、まず各プレイヤーが遺伝子(アレル)を決定するところから始めます。これは、いわばプレイヤーの属性。

補食タイプ、天敵、移動力、繁殖力、環境への耐性、バリアへの適応について、それぞれのカードを引きます。

その後、自分の種族をボード上に展開していきます。これらの種族は全てダイスで表します。ダイス目が攻撃力・人数を表します。

各プレイヤーのアクションは、攻撃・環境変化・バリア設置・移動・繁殖・遺伝子変更があります。但し、これらのアクションはアクションホイールを回す事で決まるので、自分のやりたいイベントが選択できないという欠点があります。これはレガシーゲームには良くある事。

このゲームでは弱肉強食がはっきりと定められています。攻撃には、PREDATEとCOMPETEという攻撃方法があります。

PREDATEの場合、攻撃相手から見て自分が天敵の場合、自分にとっては餌を意味し、自分の種族に隣接するその敵の種族を全て除去できます。

COMPETEの場合は、単純にダイス目比較をして、自分の種族よりも数値の低い種族の駒を除去します。

これは非常にダイナミックというか、リスクの終盤戦のような大味な解決法でして、天敵が近くにいる場合は逃げまどうか、その天敵への耐性を迫られる事になります。

このあたりは、種の保存のための進化の過程を表していると言えるでしょう。

環境変化イベントには飢饉・干ばつ・ペスト・森林伐採・大気汚染等があります。基本的には、特定の色のヘクスにいる種族が全滅します(^_^;。
この時、例えば大気汚染への耐性がある種族で大気汚染イベントが起きた時は、この被害から免れる事が出来ます。

飢饉とペストは人口密集地域(ダイス目が5と6)に発生します。

種族の保存のためには、人口増加が必要ですが、このゲームでは繁殖が多く起こりすぎると、子供が増えすぎて、ダイス目が全て5や6になってしまいます。

そのような人口増加には、疫病や食料不足という問題を孕んでいます。
飢饉やペストが発生すると、一気に絶滅してしまう恐れがあり、人口抑制策も考慮していかなければなりません。

このゲームでは自然災害へは対応できるのですが、人間が起こす災害は防ぐ事が出来ないように設計されていて、現代社会に対する風刺をこめているのかもしれません。

ゲームとしては、非常に大味なルールで、洗練されていない部分は確かにあります。しかし、生き抜くために品種改良していく様はうまく表現されていて、野性の動物が天敵から攻撃されない工夫や環境との共生を味わう事ができる教育ゲームと考えれば、もっと評価されるべきゲームだと思います。



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