基本戦略

基本戦略の内容

分院長の優位性

このゲームでは建物を建てた時、分院長がいれば、即時にその建物を利用できますが、分院長が使用中の場合は同時使用ができず、後から行く事になるため、2アクションかかってしまいます。

この分院長の効力は大きく、分院長が使用中の場合は、次に建てるリソースの準備に注力し、分院長が戻ってきた時は、分院長効果で建物を建てるようにすることが重要です。

これは非常に重要な原則です。これを発展させると以下のような手筋・考え方が生まれてきます。

■空建てについて

分院長が手元にいる時に建設するのが良いのですが、建物は1つしか無いため、どうしても建てたい場合は、空建て(建設のみ行うこと) しなければなりません。他人が欲しいと思われる建物があれば、リソースを確保し、空建てを強要させるのは重要な作戦です。

■木/ピートを切ると他人の建物を利用するアクションについて

これらのアクションは、牧師を使用しないため、分院長の回収をしようと思っている時には、有効な手とはいえません。 可能であれば、これらは全ての牧師が出払っている場合にのみ利用したいものです。

■分院長単独について

分院長は手元にいるけど、先に牧師アクションを行ったり、他人からの依頼によって牧師が出払ってしまい、分院長だけ残っている場合があります。 この状態は、首尾よく次の手番に目的の建物が建てられれば良いですが、先に取られたり、他人からの依頼で泣く泣く分院長を使用させられる可能性があります。 分院長単独残しになる場合、他人からの依頼や先に建物を建てられる危険性が無いか注意する必要があります。


初手は何をすべきか?

これを考えるためには、指針が無いと難しいかもしれません。

「分院長の優位性」で解説した通り、基本的には、分院長を置く時には建物を建てるべきです。 但し、建物の効果や得点は様々であり、当たり前ですが良い建物とそうでない建物は存在します。

なので、良い建物がすぐに建てられない場合は、分院長を使って建てる建物に必要なリソース を取りに行くのが基本です。

建物によっては、平地に建てられないものもあります。そのためには地形ボードの購入を考えなければなりませんから、資金確保が優先されるでしょう。 また、石が必要な建物は基本の資源では買えませんから、石を産み出す建物が必要になります。

では、良い建物とは、どのようなものでしょうか。 まずは得点の高い建物が候補になります。土地の高さも魅力ですが、特に村との相性が良い建物は人気となるでしょう。

次がその建物の特殊能力です。VPを稼ぐものの他、石やワイン等、基本能力では確保できないリソースを産み出すものや木を切ったり、村を建てられるなど、手番を省略できるもの は良い建物と言えます。良い建物は、修道院系を筆頭に往々にして建てられる場所に制限があったりしますので、迷ったらそういう観点でチェックとしても良いかもしれません。

村の重要性

このゲームでは5回の村フェイズがあります。建物は、先着順なので、何を建設できるかを完全に計画する事はできません。しかし、村は全員に同じ効果のカードが配られているため、建設場所とリソースが用意できれば、自分の思い通りに建てる事が出来ます。

この村の建て方の巧拙で、得点は大きく変わってきますので、理想的な形をまずは覚えておき、それを目指してプレイしていくのが良いのではないかと思います。以下に代表的な理想形を記してみます。

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この建て方からは、多くの事を知る事が出来ますので、この内容を解剖していきましょう。

1)村の数は7つを目指す

このゲームでは手番が32回とボーナスアクションがあります。1/3は分院長が手元にいますので、10回位は建物を建てるチャンスがあります。 つまり、10件が村に隣接できる建物と考えておきましょう。また、仮に村を建てても、全てに隣接しなければ効率よく得点を上げる事が出来ません。

一方、少なすぎるのも、得点のチャンスを逃します。手番数から考えて、村は7件が限界ではないかと思います。

この例では、全ての村が20点以上獲得しています。ワンダー1回でも13点行為ですから、効率良く建てれば、村のアクションがいかに強力かがわかるでしょう。 繰り返しになりますが、村は資源と場所さえあれば、誰もが公平に建てられます。まずは7件建てる前提で食料と燃料を用意しておくことが重要です。

2)漁村と屋敷の丘は両方建てない

漁村は海岸、屋敷の丘は斜面しか建てる事が出来ません。 漁村は左端、斜面はボード右側にあるので、これらを両立させる事は、村の分散を意味するので、効率性が悪く得策ではありません。 よって、屋敷の丘を建てた場合は、漁村は建てない方が良いでしょう(逆も同様)。

3)バラックや農村は、村から離して建てる

バラックは村の得点が-3のため、まわりに村があると、その村のポイントがマイナスになってしまいます。 そのため、バラックは建てない人もいるかも知れませんが、上記のように他の村から孤立させる事で、20点以上獲得する事が出来ます。 農村もできれば屋敷の丘から離したいですが、周りから得られるポイントの多さが、これを補っています。

4)村同士はクロスか田の字に密集して建てる

バラックと農村以外は、高得点の村同士を隣接して置く事で、互いに高得点を享受できます。 クロス配置は、真ん中に高得点の村を配置し、4箇所と隣接させる方法です。 この例ですと、屋敷の丘を置く事で、周りの建物からは8*4=32点のプラス、屋敷の丘で10点の建物点と村の20点で、一気に62点獲得となります。 田の字配置も有効で、仮に田舎を置いた場合、周りの建物からは6*2=12点のプラス、田舎で8点の建物点と村の22点で、42点アクションになります。 この村と田舎の2手で100点以上獲得できます。

いかがでしょうか? この基本を抑えておけば、あとは村の位置が変わるだけで、応用が利くでしょう。

手番別方針について

このゲームで手番は重要です。建物の建設は先着順のため、各フェイズのスタートプレイヤーはリソースさえあれば必ずその建物を建てる事が出来ます。 これにより、将来的な戦略も立てやすくなります。

以下にプレイヤー人数・国別の戦略を手番別に解説します。

●3人フランスの場合

■1番手 建設順(A:2番目 B:3番目 C:2番目 D:3番目)

一番先にプレイできますが、建物の建設で優先して取れるものがありません。 そのため、特定の建物に依存した戦略は難しくなります。 一番相性が良いのは、修道院別館でしょうか。 修道院別館では、リソースがコントロールしやすいので、建物よりも村重視で進める のが良さそうです。

あとは分院長館も良いです。分院長館は、利用できた建物によって戦略が変わっていくので、汎用的に進める必要があります。もともと特定の建物を狙えない以上、分院長館は丁度良いかもしれません。

但し、分院長館は初手以外では他人に取られる可能性が高いので、どうしても欲しいなら初手で取るしかないでしょう。

なので初手は木を切って修道院別館か、初手で分院長官を空建てするのが有力です。

■2番手 建設順(A:3番目 B:1番目 C:3番目 D:1番目)

建設順はトップかビリかと落差が激しいがBとDは必ず欲しいものは購入できる。そのため、特定の建物に依存した戦略も可能。例えば、Bでワイン醸造所が約束されているため、ワイン棚やゲストハウスと組み合わせる事で資金は豊富に入りそうですから、宮殿がとれそうです。

また、Bで造船所、Dでは聖具室がとれるためワンダー戦略もありそうです。 ※個別の戦略については「」参照。

2番手は、特に穴が無く、バランスが良いので、どんな戦略でも取れそうです。1番手の残りものでも構いませんし、ワンダーを視野に入れると石材商もあります。

■3番手 建設順(A:1番目 B:2番目 C:1番目 D:2番目)

3番手は、手番が遅く、欲しい建物が無くなっている可能性が多い上、Aのラウンドになるまでのアクション数が少ないハンデがあります。その分、各ラウンドの購入順が早めになってます。AとCでは好きな建物が約束されています。 Aでは「修道院参事会」、Cでは「暖房室」がとれます。これにより、リソースとアクション面で大きな恩恵があります。

そのため、石を取るためにリソースが必要になるものの、修道院参事会で補充が効くことから、石材商を目指したプレイになるでしょう。石材商では、後に石切場に入れば無料で石が確保できる事や、仮に他人に相乗りされたとしても、2つの建物は設立したいですから、建設時に4石は取っておきたいところです。


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