一之江18xx会レポート(2007/8/4)

第3回目となった一之江ゲーム会。今回は1846。初プレイです。メンバーはかみさん、moonさん、nemmyさん、naoさん、私です。

この1846はファーストフードフランチャイズや2038等、一連のTimJimGamesのデザイナーとして知られるトムレーマンが手がけたシカゴ・デトロイト周辺を扱った18xx系ゲームです。

今回参加してくれたnemmyさんはレーマン愛好家で18xxシリーズ初プレイ。

このゲームは銀行資金が$9,000しか無いため、私は短時間系ゲームと短絡的に考えていて、翻訳を後回しにしていました。
ところが、いざ翻訳を進めていくと、結構様々なルールがあり、登場する会社も多いため、かなりの期待感を持って今回の初プレイに臨みました。

ルール概要はmoonさんのサイトに詳しく紹介されているので、そちらをご参照下さい。

【個人会社】
このゲームでは、個人/マイナー会社の両方が登場します。これ自体は珍しくありませんが、その獲得の方法が変わっています。

通常、これらは競りで購入していく訳なのですが、このゲームでは、まずファーストプレイヤーを決め、その人の右隣から逆回りに順番に山札からプレイヤー人数+2の枚数を引き、そこから1枚ずつ獲得していきます。手番プレイヤーの優位性を減らす工夫といえるでしょう。

私はBIG4とMSという、2社のマイナー会社をふたつとも獲得できました。カード引き3番手という順番を考えれば文句の無いところです。

マイナー会社は、線路引きと半配当以外のアクションを行う事はできません。また列車操作もできないため、18EU等に比べると非力ですが、会社に吸わせた時に追加トークンに化ける上、線路タイルを協調して引けるというメリットは魅力です。

nemmyさんはカード引き1番手ながら、カード運に恵まれなかった模様。

2番手のかみさんは、一番強力と思われる、mail会社をゲット。この会社を吸収した会社の列車1両に限り、訪問した都市毎+10ボーナスが付きます。この権利はパーマネントであり、私も一番欲しかった会社。

個人的には、mail会社、マイナー2社の3社がベスト3。回ってきたら黙ってツモるべし。


【序盤】
このゲームはPERが40-150とレンジが広い上、社長株だけで社長になる事ができます。手持ち資金は$400でスタート。つまり$80あれば、社長になれます!。

但し、資本金は銀行から売れた株だけなので資金繰りを充分に考慮しなければなりません。

このゲームでは列車購入費以外に全ての線路にコストがかかる(最低$20)ため、いくらで設立するかは非常に悩ましい。安く設立して多くの株数を確保すべきか、高く設立して資本的な安定を図るかのどちらの戦略を採るが注目でしたが、各プレイヤーは高値設立を選択。かみさんはB&O$137、moonさんはNYCで$100、NAOさんもGTで$100、nemmyさんがPRRで$90です。

かみさんのように$137で立てると他人もなかなか買いにくく、配当時会社保有株は会社の収益になるため、多くの資金が会社に入る事になります。

もっとも、その分購入できる株数が少なくなるため、序盤の株価が安い間に多く株を仕込めないというジレンマがあります。私はマイナー2社が高価なため、残金は$160。よって、$80で設立です。


他のプレイヤーは自社株買い増しをするのかと思いきや、NAOさんがErieを$50で設立。残りは1社。
これに反応して、moonさんが$50でC&O設立。第1ストックで全ての会社が売り切れる展開。
結論から行くと、この2社設立したプレイヤーが脱落していく事になります。

私の手番にICが残っていたのは意外。ICは初期資金が他の会社よりも1株分多い上、BIG4との相性が抜群です。
これがとれたのは大きかったです。

とはいえ1社しか無いため、列車戦略を誤るとたちまち敗勢に陥る危険性があります。
2列車2両購入して、とりあえず様子見です。


【中盤】
7社設立のため、フェイズ2(緑の時代)はすぐにやってきます。moonさんとNAOさんの2社経営者は、経営難から早くも劣勢になりました。

moonさんのC&Oは高収益のCincinnatiに接続したくとも資金不足で接続できない。私はチャンスと見てBIG4と結託して路線を延ばして、トークン配置。これは非常に大きかった。ここの$50都市を起点に4両の列車を走らせる事が出来ました。

私は2+2+4購入後、マイナー会社を吸収。2+2+2+4体制に。(今回私はルールミスを犯していて、列車制限を超えても吸収できると思ってました。また吸収時会社に資金が多くあったにもかかわらず、会社から資金を一切抜いていませんでした。)

このゲームでは列車に関してはフェイズアウトという概念があります。通常、時代が進むと旧列車は廃車になるのですが、フェイズアウトは、次の運行ラウンドの最後に廃車となるものを指します。

つまり、あと1回運行する事ができる訳です。しかもフェイズアウト列車は列車保有制限に入らないため、スムーズに次の世代の列車に移行できます。緩いという考え方もあるかも知れませんが、この方が現実的な列車移行手順だと思います。


フェイズアウトルールのため、2列車が無くなったターンにも収益を計上してから列車購入ができます。このルールは是非他のゲームでも採用して欲しいですね。

このゲームで高い収益を得るためには、シカゴ接続と東西盤外運行が必須になります。

東西の盤外に接続すると、最大$80のボーナスを獲得できます。またシカゴは$90の都市であり、シカゴ経由で東西盤外運行というのが目指すべきルートになります。

私はマイナー会社の吸収でデトロイト経由のシカゴ東西盤外ルートは最低確保。

このゲームの株価ボードは1次元。株価ジャンプアップルールがあり最大で3マス右に移動します。これは少々無理をしてでも列車2両保有すれば、配当時、トリプルアップで株価を急騰させる事ができるため、パーマネント列車2両は狙いたいところです。

moonさんは2両はおろか、それぞれの会社に1両調達するので精一杯。NAOさんは、株価ZEROにして潔くerie倒産を選択。
そうすることで、もう一社GTは助かり最終的には2両体制になりましたが、そのための代償も大きかった。

nemmyさんは初プレイながらPRRでシカゴルートを確立。着実なプレイが目立ちます。

私とかみさんはパーマネント2両体制を目論見、最後のフェイズ3のパーマネント列車を見送り。私とかみさんの一騎打ちとなりました。


【終盤】
かみさんのB&Oは株価も高く、資金力も豊富。ただ、その分かみさんは株数が少ないため、ここをつくしか無い。幸い私のICは、私以外誰も持っていないので、個人配当+会社の資本金と理想的な展開。

ICとB&Oは列車構成も同じなので、これ以上株価で離される心配は少ない。紙さんとの株数差に注意し、あとはかみさんと同じ株を購入しておけば良い。

かみさんのmail個人会社保有(任意の列車1両、訪問都市毎$10増えるパーマネントな素晴らしい会社)が気になるところですが、この終盤では2ラウンド程度しか運行できず、インパクトは薄いと見ました。

時間が切迫してきたため、ここで協議終了。やや有利と思っていましたが、約$600差の勝利でした。


【総括】
このゲーム、コンパクトながら様々な要素が凝縮され、18EU/GLに匹敵する面白さです。一次元株価ボードは戦略の幅が狭まり、つまらないのではという思いがありましたが、全くの杞憂でした。N/M列車の活用、フェイズアウトによる洗練された時代進化、盤外EW運行ボーナスによる戦略の多様化、多くの個人会社、公開価格の広範囲など、戦略が多く考えられ、リプレイ度が非常に高い。

これで短時間とくれば、例会でもプレイできる18xxとなり、18xxのデファクトスタンダートになるのではないかと思える位です。
何故、今まで普及していなかったのか不思議な位です。

これは近々再戦しないといけないようですね。素晴らしいゲームでした。さすがはレーマンです。



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