書評(2020/02/23)

偽善者の見破り方 / 岩田 温

朝生などでもおなじみ政治学者である岩田温氏の本です。岩田さんというと、普通は保守派の論客といった感じだろうか。

Youtubeにもチャンネルを持たれているので、ちょくちょく見たりしているのですが、以前から気になっていたので読んでみました。

内容的には、政治家やマスメディア、ジャーナリストについて鋭く斬る内容で、正論を語っています。特段イデオロギー的に相違が無い限りは、非常に正しいことを言っているし、この通りのことを政治やマスコミがやっていれば全く問題ないと思います。

個々の政治家や憲法問題や豊洲移転など個別の課題について4〜5頁で語ってます。正直、読む前から想像ができた部分もあり、まあそうだよなあ、こういう流れがずっと続くんだよなあと思って読んでいたのですが、最終章の死刑問題になり一気に濃厚な内容となります。

ここだけで40頁位が割かれており、今までの10倍近いボリュームの内容で別の本読んでいるかと思わせます。

基本的に死刑肯定論者の著者が、なぜその考えに疑問を持つようになったか、それでどうあるべきと考えているのか。その過程のプロセスを知るだけでもこの本を読む価値があります。本書では語られていませんでしたが、この議論を行う場合には、合わせて安楽死というのも真剣に考えるべき問題である気がします。

軽く流して読もうと思っていた本ですが、最後に考えされられました。

岩田さんは、大変な読書家です。もちろん立場上、膨大な本を読まなければならないという事もあるのでしょうが、随所に参考文献について「XXは最良の一冊」であるとか、「XXはZZの観点から書かれた力作」とかおすすめポイントが描かれているので読書ガイトとしても奨められます。

【この本から得た教訓】
偽善者の正体がわかります
死刑制度について考えされられます

【この本を読んで読みたくなった本】
無期懲役囚の立場からの死刑論が知りたいなら・・・
死刑絶対肯定論 / 美達 大和

トランプ政権の内部事情を知りたいなら・・・
FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実 / ボブ・ウッドワード

新入生が読むべき、読書欲を掻き立てられる一冊として・・・
政治学者が実践する 流されない読書 / 岩田温




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