18GLゲーム会(2007/4/21)

つなきさん宅にて行われた、アメリカ五大湖周辺を扱ったディープソートの18xxシリーズである18GLのプレイレポートです。
つなきさん、moonさん、taroさん、phyさん、私の5人。

私が18EUと共にディープソートから購入した作品のひとつ。これらのゲーム選定について、「さすがは良いゲームを抑えてますねえ」という賞賛コメントを頂いたりもしましたが、実のところは、「BGGで評価が高く、共同購入者とかぶらないもの」という、非常にミーハーで主体性の無い理由によるセレクションでした。

とはいえ、18xxシリーズの傑作ともいえる18EUがプレイできた事は、人(BGG)の評価を素直に聞いておいて良かったと思いました。
但し、この18EUを絶賛しているのは、少なくとも国内では、私の周辺の人だけだと思います。よって、国内の18xxシリーズ内の18EU評価という観点からいけば、決して高くないのが実情かも知れません。

さて、前置きが長くなりました。まずは18GLの特徴について。

あまり国内で知名度が高いゲームでもありませんし、これを知っておかないと以降のレポートを呼んでも勘所がわからないと思いますので軽く触れておきたいと思います。

1.ヘクス列車
2.借金あり
3.国有化あり
4.公募価格変動制
5.株価ジャンプあり
6.3OP、イエローゾーンあり、Dあり
7.個人会社吸収無し
8.フェリーあり
9.列車操作制限あり

などがあげられます。

1.ヘクス列車
通常、18xxシリーズでは、各列車タイプの違いは、カウントできる都市の数なのですが、このゲームではヘクス数です。
つまり、プレーンなタイルも1ヘクスにカウントされてしまいます。よって単独高収益都市を利用するよりも、都市が密集している地域が重要になってきます。実際問題、広大な砂漠の中に大都市があるなんて事は無く、それほど価値観が変わるって訳ではないのですが、トークンでふさがれているためのバイバス路線とかは、想像以上にショボくなります。よって、トークンの重要性が際立っているといえるでしょう。

2.借金あり
借金のできるゲームはいろいろありますが、このゲームではかなり制限があります。借金ができるのは、列車強制購入か、借金の利息が払えなくなった時だけです。しかも借金すると株価が下がります。借金すると、他車からの列車購入は定価以下・列車譲渡は定価以上になっています。また、利息の返済は会社の収益計算後・収益分配前で、利息が払えない場合は無配にしなければなりません(半配当とか、Treasuryの株からもらえる収益をアテにする事はできず、強制内部留保となる)。

これにより、借金の濫発・濫用ができないようになっています。これは非常に秀逸なルールといえましょう。

3.国有化あり
このゲームではCONRAILという国有企業が登場します(鉄チャンでないので詳細は割愛)。これは10H列車・E列車が登場したタイミングで列車を保有していない会社が国有化されます。

但し、現金がいくらあろうとも、列車がとんでいれば強制的に国有化されてしまいます。そのため生き残れる列車を確保しておくという事が非常に重要になります。

10H/E列車が登場した時点で、未運行の会社は国有化対象外ですし、1社しか対象がない場合、国有化は発生しません。よってCONRAILが登場しない事も充分に考えられるわけですが、4H列車の数は7台で、6H列車の数は6台。会社の数は11社のため、国有化になる可能性の方が高いような気はします。

4.公募価格変動制
18EU形式。設立50%で、資本金は売れた株のみ。公募価格は無く、市場価格のみ。半配当があり、会社が自社株の売買可。
個人的には、この方式の方が一般的に思えてきました。

5.株価ジャンプあり
1860や18FLで見られた形式で、現在の株価の倍以上の収益があれば、株価は2ランク右に移動します。

6.3OP、イエローゾーンあり、Dあり
ここは1830風。タイルの色に応じたOP数の変化と株価にイエローゾーンがあり、D列車が存在します。

7.個人会社吸収無し
個人会社は存在しますが、会社に吸収させる事はできません。

8.フェリーあり
このゲーム最大の特徴のひとつがフェリー航路の使用です。フェリー航路は4箇所ありますが、実際に使用できるのは1箇所のみです。
フェリー会社は、個人会社として登場、どこかの上場会社にフェリー利用権を付与します。この会社以外もそのフェリー航路は利用できますが、使用料として$50支払わなければなりません。

9.列車操作制限あり
6H列車が登場するまで会社間の列車操作ができません。おそらく上記2.や3.の絡みでしょうが、会社をショボくして国有化会社に引き取らせるという事を意図的にできにくくしているものと思われます。

【序盤】

つなき氏 moon氏 Taro氏 phy氏 atog
会社 価格 会社 価格 会社 価格 会社 価格 会社 価格
Rv
50
EJ&E
40
C&E
20
Ferry
100
Mine
70
RW
60
Port
95
ALCO
75
C&A
140
合計
110
合計
135
合計
95
合計
100
合計
210

まずは1830と同じような個人会社のビッドから。

今回はほとんどがビッド過熱せず、だいたいが定価で落札されました。

競りあがらなかった理由としては、馬が案外良いのと、個人会社の数が多い(9社ある)ことにあるでしょう。馬を持つと、L14,M13へのタイル置き換えをこの会社の許可無しに行う事ができません。C&EはNYC社など近隣会社にとっての重要拠点であり、事実上の社長優先権に等しい。

一番人気だったのはPort会社。港に+20にトークンを置けるというもの。権利行使で閉鎖するのはショボいですが、+20トークンは魅力。

私は鉱山会社(鉱山の価値が+50)とC&A(PRRの親株)。残金は$270。私はC&Aを$100で値付けしますが、おそらくこれが敗着のひとつか。
1830の感覚で、B&Oの$100値付けみたく、PRRを$100で値付けしました。一見当たり前のようですが、これが出遅れる一因になりました。

$90で値付けしていれば、3株買えるため、PRRを設立できました。私は次のターンに$310になるため、今回焦って設立しなくても次に設立すれば良いと思っていました。1830でもC&AやM&Hを持ったら序盤の年金生活は普通の事。私もこういった常識にとらわれていました。

しかし、1830でこれが容認されるのは、これらの高額子会社を吸い取ることができるからです。18GLではそれができないため、設立した時は配当が無い事すっかり忘れていました。

損といっても、たかだか20ドル程度なのですから、速攻でPRRを立ち上げるべきでした。また、もしそうしないのであれば、2社目もPRRはあくまで立てず、放置すべきでした。この一貫性の無い方針が一番の敗因です。

立てようと思っていた鉱山会社をつなきさんに立てられ、moonさんがIC、taroさんがNickel、phyさんがGTです。私がソロプレイでいつも最後まで残っていてショボそうに見えたGTを何とか男にする方法はないものかと無い知恵絞って考えて、実践で試そうと思っていたソリューションがphyさんに採択。

moonさんは、どうせなら隣のMRの方がトークン数も多く有利ではと思っていましたが、局後の話で大きな見落としがあったのだとか。
taroさんのNickelは当然の一着でしょう。

後から、atogさんの口車に乗せられたと言われましたけど、悪くなかったでしょGT?


【中盤】
第1ORで4H列車が登場したため、第2ストックからは2OP。第1ストックでパスを余儀なくされての設立です。折角の2OPに1回無配になるのはあまりにも痛い。
ここで多くの株を仕込めなかったのが大きく響き、後の非常手段を選択する事になります。

私はMRを設立。鉱山の権利を持つ私としては絶対の一着。4H列車は1台購入。結論から言うと、これも失敗で4Hは2両買うべきでした。この後、半配当して4H+6Hを買うのですが、どうせもう1両4Hを買うのなら、先に買っておくべき。もちろん、もし次の手番で6Hを買えるなら4Hは一両が正解なのですが、こんなファンタジーは期待すべきではありませんでした。

2Hを持たない私は2Hがつぶれる展開を考えないといけないわけですから、もっとアグレッシブに行くべき。極端な話をすれば、4H3両でも良かった。国有化する覚悟であれば何も恐れる必要は無く、ただ行くのみのターミネーター作戦が有効だったかもしれません。

MRで4+4+6の3両持ちで$540収入。半配当して会社に$270残し、自主運営の道を歩みます。一方、他のプレイヤーも基本的には自主運行路線で進んでいるようでした。なんとなく、国有化はショボそうだというのが各プレイヤーの共通認識。ただまぁ、万が一に備え、株は偶数にそろえておきましょうかといった程度(笑)。

そして運命の第3ストック。文字通り、ここが運命の分かれ道でした。

taroさんはDT&I$100。moonさんがNYC$100。つなきさんがWabashを$100値付けでした。プライオリティはtaroさん。場には最後の6H列車が残っている状態。基本的にこれは買いたくないところ。私はPRRを立てる予定でしたが、社長株は確保してますし、先に立ってしまうと最後の6列車を買わされる事になるため、これをパス。するとphyさんが$140でMononを値付け(6Hからは$140で値付け可能となる)しました。既に持株制限MAXに達し、一歩抜けていたphyさんですが、これが敗着となりました。

そうなると、待つ必要が無くなるため、私はPRRを購入($100)。これでB&Oをのぞく10社が設立されました。いったい国有化はどうなるのでしょうか?

【終盤】
phyさんは$140値付けしたため株価トップのMononから運行。5株設立のため、会社は$700持ち。どうしても6列車を買いたくないのであれば、GTに資金を全て移す作戦もあるところ。しかし、そうはせずに素直に6列車購入。taroさん、moonさん、つなきさんが素直に10H購入。

私は山ヘクスにつき、トンネル掘りとトークン代を払うと、到底10H購入資金は調達できない。借金して10Hを買います。

ここで世の中から10Hが消え、E列車がいつ登場するかという状況になりました。

私はこのままいけば、phyさんが勝ちになると思い、たぶん最下位だろうと考えた私はMRで無配にし、PRRの10Hを買いに行きます。

本当は、無配などせず、$1でPRRの10H列車を買いたいのですが、借金のある会社は定価以上でしか譲ってくれないので、泣く泣くしゃがんで購入(なんて良いルールだ)。これでE列車購入資金がPRRに溜まりました。

私の狙いは、他社の高株価の会社を2-1でCONRAIL社株に転換させる事です。私の株価はもともと低いため、それほど痛手ではないのに対し、他社の株価は皆高い。これが単純に2-1でCONRAIL社株になれば、かなりの資産価値を落とすことができます。

一番割を食ったのがphyさん。2社共国有化してはたまらんと、高株価を活かし、Mononの手番でGTの6列車を購入して資金をGTに移し、GTでE列車を購入。私の計画は阻止できましたが、一番株価の高いMononがConrail転換されてしまいました。

実は、phyさんは別の計画を密かにたくらんでいました。Mononで列車購入後、GTをボロボロにしたあげく、GTはtaroさんに魚雷発射する予定だったそうです。確かにそうなれば、高値でGTを売り抜けた挙句にMononで走られたら、たぶんphyさんが圧勝していた事でしょう。

逆にこの一連の折衝で一番得したのがtaroさん。phyさんが最後の6列車を購入したため10Hがすんなり買えた上、魚雷を回避し、しかもphyさんのフェリー開港が間に合わず、DT&I社にフェリー権が譲渡されました。更に会社の株価が高かったせいで、treasuryに多くの株が残っていたため、配当時会社に収入が入り続ける好循環。ここで一躍トップに浮上、そのまま逃げ切りました。

つなきさんは、プライオリティの利を活かし、CONRAIL経営権で追い上げますが、一歩及ばず。惜しくも2位になりました。

私は、上位2名には株価の差で追いつくことはもはや無理。どうしようも無かったので、バックゲームのフィーダーライン作戦を選択。
MPで10H+Dで追い込みをかけますが、大きく離されての3位でした。


【総括】
このゲームは、18EU以上に考える要素の多いゲームであると言えます。 特に第3〜4ストック頃に訪れると思われる、国有化処理のあたりでは、会社の運行順が重要な要素となり、株価操作が必要になってきます。 今回に見られたように、ダントツのトップ目でも国有化されてしまうとその優位性はふきとんでしまう可能性があります。 株価が倍動くことから、追い込み型もそこそこ戦えそうで、フイーダーライン作戦も取れる事から選択肢も豊富。 会社も11社あり、マップも広く、無限の可能性を感じられます。 国有化系ゲームは、どうも今まで私は苦手であまり触手が動かなかったのですが、これは非常に面白い。 是非、再戦したいゲームです。

【最終結果】



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