一之江ルール

一之江ローカルルールによるプライベート会社選択方式(以降一之江ルールと略す)について

これを語るには、このゲームの特性を理解する必要があり、非常に重要なところです。逆に言うと、ここさえ理解できれば上達は早いでしょう。

このゲームは他の18xxシリーズと異なり、2社経営が非常に難しくできています。 1830の場合、複数の会社を所有する事で列車操作ができる上、持株シェアも1枚分多い事から複数会社の運営は勝利条件のひとつと言っても良い位重要でした。

しかし、このゲームでは以下のような理由により、それは難しくなっています。
・フィーダーライン戦法ができない
・株価が最大で3ランク上昇する

まずは前者。このゲームでは株価カラーゾーンが無いため、枚数制限から逃れる事はできません。よって、複数会社の株を持つメリットがあまりありません。

それよりも一番大きな理由は後者です。1830と異なり、収益の多寡で株価の上昇率が異なるため、より多くの収益を得なければ株価の上昇が鈍化します。パーマネントの列車は4/6(5)列車からですが、これ1両では早晩株価が頭打ちになります。よって各会社はパーマネントの列車が2両必要になります。 パーマネントを2両調達するためには、他の会社を支援する余裕はありません。よって一社経営に専念する必要が出てくる訳です。

そこで各プレイヤーが1社経営に専念するとどうなるか。株のショートが起こります。 5人プレイと仮定して、1社経営すると、各プレイヤーは持株制限11枚で120%の株を持てる事になります。 すると各プレイヤーは2枚ずつ株が不足する事になります。株が少ないプレイヤーは仕方なく2社目を建てる事になりますが、配当も路線も不利な状態で始める訳ですから、複数会社経営による持株シェアが増えた位では不利は否めません。

つまり、ここでいえる事は「早期に株の枚数を増やし、持株制限いっぱいまでいち早く株を揃える」事が重要になります。 そのためには、このプライベート会社の購入に多額の資金を費やす事で株数が減る事はなるべくしたくない、つまり高額なプライベート会社は買いたくないという図式ができあがります。

これは何を意味するかというと、オリジナルルールが破綻している事を表します。 つまり高額な会社とは「BIG4」「Mail Contract」「Michigan Southern」を表しますが、これら3社は定価では買いたくないという事になります。しかしオリジナルルールではパスしてディスカウントできるのは、最後の1社だけです。という事は、誰かが強制的に定価で引き取らされる事になります。

以下はプライベート会社の購入例です。

  Player 5 Player 4 Player 3 Player 2 Player 1
turn1 Port(40) #card(0) C&WI(60) Meat(60) #card(0)
turn2 #card(0) #card(0) #card(0) MC(40) LSL(40)
turn3 TBC(60) O&I(40) BIG4(100) MS(140) Pass
turn4 Pass Mail(60)      

turn2で数字カードが無くなり、プレイヤー2から強制購入です。 それでもturn2は選択の余地がいろいろありますが、turn3はプレイヤー3から高額会社を強制で取らされる事になります。 これを手番で表すと「2」「3」番手のプレイヤー不利という事になります。

手番という運の要素で有利不利があってはいかんと言う事で考案されたのが一之江ルールです。 これは、山札の残りが7枚以下で、数字カードが一枚も無く、何も取りたくない場合、カードを全て公開します。そして、残っているプライベート会社のどれかにディスカウントトークン(適当な会社トークンを代用)を置きます。これはその会社の値段=-10を表します。

次のプレイヤーは、いずれかの会社を取るか、どれかにトークンを置くかです。トークン効果は累積します。イメージはプエルトリコにおける未選択アクションに置くコインのようなものです。 こうする事で手番の不利が解消され、バラントのとれたゲームに改善しました。 一之江ではこのルールを正式ルールとして使用しておりますので、以降の説明は一之江ルールを採用しているものとして説明します。


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